- コミュニティナースについて教えてください。
- コミュニティナースは「町を元気にするお節介焼きの看護師」と言われたり、「心に寄り添う身近な相談役で社会的処方の推進のキーパーソン」だとも言われています。
地域の課題のひとつに孤立している人が増えてきていることが挙げられます。
孤立は健康問題にも関わりが深いと言われています。
この孤立を解消するためにお薬を処方するように社会とのつながりを処方するのが社会的処方になります。
そのかなめ役として実際につながりを提供するのがコミュニティーナースです。
- 現在の活動内容を教えてください。
- 今、実際どういうことをしているかと言うと、地域のコミュニティーふれあいサロンなどに、こちらの方からお邪魔させていただいて、今あるコミュニティーの中に溶け込んでいき、その中でそのコミュニティーをさらに広げていったり、新たなコミュニティーをつくっていくというような事をしています。
まずは皆さんに顔を覚えていただいて、私自身も関宮を中心に、まずは地域のことを知っていこうと活動しているところです。
その他には市民検診でその市民の方の保健指導の仕事をさせて頂いたり、体力測定がある時の問診役をさせて頂いたりしています。
それと並行して地域交通であるライドシェア「やぶくる」の方の活動であったり、最近多いのはスマートフォンの相談員としてスマホの出張教室を開催したりしています。
- コミュニティーナースになったきっかけは?
- 以前、1級建築士を持っていて、設計事務所でも働いていました。
もともとは「居心地のいい空間をつくれる仕事って何だろう」と学生の時に考えていて、「やっぱりそれを出来るのは建築士だな」と思い、建築の仕事に就いたんですが、その後、父が病気になったことをきっかけに介護とか医療の分野にも興味を持ち、ヘルパーの資格を取り、転職して看護師として病院であったり、訪問看護ステーションの方で働いていたんです。
その中で病気になって困ってから相談するのではなく、「何かこんな話聞いたんやけど、どうなのかな}とか、「じゃあそうならないように、もうちょっと元気でい続けるためにはこうしたらいいのかな」とか気軽に相談できる人が地域の中にいたらいいのにと考えていたところに「コミュニティナース」という言葉や取組みを知り、これが実現できれば素晴らしいなと思いました。
そして養父市で地域おこし協力隊として「コミュニティナース」を募集していることを知り応募しました。
- 養父市の印象は?
- やっぱり自然が豊かで、一番最初の印象としては夜が本当に静かだなと思いました。
養父に来る前は神戸市の都会の真ん中の方に住んでいたので、夜中でも車が走る音であったり、いろんな音がしていたのが当たり前でした。
そんな生活の中ではサーキュレーターを家の中で回していてもその音が今まで全然気にならなかったのですが、養父に来て周りが静かになったからか、サーキュレーターが回ってることがすごく気になってしまって、それぐらいこの地域って本当に静かなんだなっていうことが最初の印象でした。
- これから取り組んでみたいことは?
- 正直言うと今はきっちり固まっている状態じゃないというところはあります。
最初はもっと集まれる場所自体がないのかなって思っていたのですが、割と集落ごとに公民館やグラウンドなど自治協レベルでまた集まる場所があって、地域の中でのつながりは割としっかりしていると感じました。
課題としては、その地域を外れた時のコミュニティの広がりかなと思いました。
交通手段の問題を含めて解決していかないといけない問題だと思っています。
もう一点は情報。
安易に言ってしまうとデジタル化です。
いまだに何かするときには回覧板であったり、紙のチラシで物事を伝えていくっていうことがまだまだ根強いです。
せっかくみなさんスマホを持っているのにそれを活用出来ていない。
そのあたりをアップデートしていかないと今あるコミュニティーがさらに細ってしまう。
それを防ぐお手伝いにも取り組んでいきたいです。